コラム

歯科矯正と抜歯について

 なぜ、歯科矯正治療で抜歯は必要なの?
歯がきれいに並ぶにはスペースが必要です。
永久歯を抜歯して、矯正治療を行うケースとしては、
1. 叢生(そうせい)
   顎の大きさと歯の大きさとの不調和で、歯がデコボコになっている場合  
2. 上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)
上下の前歯が唇側に傾斜していて、唇が突出していて、口の閉鎖が困難な場合  
3. 上顎前突(じょうがくぜんとつ)・下顎前突(かがくぜんとつ)
いわゆる出っ歯(上顎前突)やうけ口(下顎前突)で咬み合わせが悪い場合や、上下の顎が前後にずれている場合    
などになります。『歯を抜かずに治したい』という希望は、誰でも持ってます。
確かに虫歯でもない『健康な歯』を抜くことは抵抗感があるでしょう。われわれ歯科医ももちろん『できるだけ抜かずに治したい』と考えています。

乳歯の隙間(すきっ歯)は必要?

 乳歯に隙間が無いと、永久歯はデコボコになってしまいます。
乳歯(20本)は通常2歳半までに生えそろいます。乳歯列が完成すると、上顎乳側切歯と下顎乳犬歯の後方に霊長目動物によく見られる空隙(霊長空隙)が存在します。その後6歳までに大きな永久歯を受け入れるために、前歯の部分の幅の成長により空隙(発育空隙)が生じます。この2つの空隙が存在する乳歯列は、あたかも『すきっ歯』の様相になりますが、前歯の乳歯と永久歯のきれいな交換に必要になるのです。
したがって、もしも乳歯に隙間(霊長空隙・発育空隙)がなく、きれいな歯並びであった場合、永久歯はでこぼこになってしまうわけです。

乳歯の隙間(すきっ歯)は必要?

 不正咬合をそのままにしておくと
1. 虫歯や歯周疾患(歯肉炎・歯周病)になりやすい
不正咬合の場合、歯磨きが隅々まで行き届かずに、虫歯や歯周疾患になりやすくなります。また、人は唾液を分泌し、自然に歯の汚れを落とし(自浄作用)、虫歯や歯周疾患を予防しています。歯がデコボコの人は自然な唾液の流れが損なわれるために、虫歯や歯周疾患にいっそうなりやすくなります。
2. 食べ物をよくかめない
正しい咬合は、食べ物を咬み、砕いて飲み込む(咀嚼嚥下)までの一連の能率の良い咀嚼嚥下運動を行うが、不正咬合の場合は不十分な運動になってしまいます。また、唾液の出も少なくなり、唾液中に含まれている消化酵素が働けずに消化力が弱くなります。
3. 外傷にかかりやすい
歯がデコボコや出っ歯だったりすると、転倒の際上の前歯を折ったり、歯が抜けてしまったりすることがあります。また、歯によって唇や粘膜に当たって傷がつくことがあります。
4. 将来的に歯科治療が困難になる
不正咬合のままに放置していると、将来、歯がなくなって入れ歯やブリッジ等を装着する時困難なこともあります。
5. 心理的な影響を与える
歯並びや咬み合わせが悪いと顔全体の印象に悪影響を与え、自分の外見が気持ちの負担になり、一種のコンプレックスを感じるケースがあります。